スキューバダイビングをするには体調管理はとても重要です。
何かしらの原因で頭痛や腹痛が起きている状態ではダイビングはおろか、その場に立っているだけでも辛いですよね。
身体のあらゆる場所が突如痛くなることはありますが、
ダイビング中、歯が痛くなることがあるって知っていましたか?しかも激痛。
考えるだけでゾッとしますね!
歯の治療中で、これからダイビングの予定がある方!
事前に対策をしておきましょう!
1. 水圧のお話
虫歯と圧力。関係が無さそうに感じますが、関係が大アリなんです。
虫歯の治療したその個所は最終的に詰め物をすることが多いですよね?
詰めるとき、ちょっとだけでも空気が入る状態、ほんの少しの隙間が厄介なのです。
スキューバダイビングをする水中世界というのは、深く潜れば潜るほど水の重さ、水圧がかかります。
水深1mでも水圧はあります。
圧力の数値として表しかたは、大気圧が1気圧プラス水深10mごとに1気圧がかかるので、
水深10mの水圧は2気圧。水深20mだと3気圧。
水深20mの3気圧の下、
空の500mlのペットボトルを持って行ったとします。
ペッシャンコに潰れています。
3気圧ともなればかなりの力が働きます。
そこで話をちょっと戻して、
虫歯のときの詰め物したときにできた空間があった場合、潰れたペットボトルの現象がその空間で同じことが起きているのです。
2. 気圧変化
出身が長野県のスタッフ内川は、小中学校のころ学校の行事で登山教室がありました。
名前の通り、泊りがけで山に登るのです。
山頂を目指す休憩中、みんなが楽しみにしている各自持参したおやつタイム。
必ず持ってきてしまうヤツがいるんですよ、ポテチ。ぱんぱんに膨れ上がってどうやって開けたらいいかわかりません!
これは笑いにしかならず、面白い思い出の一つですが、
これは標高が低い場所で密閉した袋を持って登山すれば起こる現象で、
まさに気圧の変化です。登山の場合、標高が高くなればなるほど気圧が低くなります。
気圧が低くなるということは、空気が膨張するということ。
これが虫歯のちょっとした隙間、空間にも起きています。
この気圧の変化、飛行機も同様です。
機内では空調設備が働いているため、それほど気圧の変化を感じないかもしれませんが、
実際に虫歯治療中の方が飛行機に乗った上空で歯が痛かった体験談を聞いたことがあります。
ダイビング中では潜っても上に上がっても圧力の変化が激しいということ。
水圧の変化は、気圧の変化よりも圧倒的に強いです。
それは空気より水の方が重く密度が濃いから。
1、2m潜るだけでも水圧を感じます。
虫歯がある人はこの「気圧変化」に注意しなくてはいけません。
3. 水深5mで歯が激痛!体験談
ゲストから伺った話です。
水中へエントリーしてすぐ、水底に着底する前に歯に激痛が走りました。しかも、虫歯の治療をした場所。
なぜかわからず、何とか耐え、そのままダイビング。
ダイビングが終わりに差し掛かった水深が浅くなってからまた痛み出したそうです。
あまりに歯の痛みが酷かったので、その日のダイビングは2ダイブの予定を1ダイブで終えたそうです。
これは、治療中の虫歯や、治療後の詰め物の下に空洞ができている場合に起こります。
ダイビングによる水圧の影響で、空洞内の空気が縮んだり膨張したりすることによって、神経を刺激し、痛むことがあるからです。
4. 虫歯痛の予防法と対策法
虫歯治療中の方は治療を終えてからダイビングを始めましょう。
長く歯科を受診していない方は、ダイビング前に受診されると安心です。
ここで一つ、とっても重要なこと。
予防法として、ダイビングをしているので、詰め物をする場合は隙間、空間がないように埋めてください。
と歯科医にお願いしましょう。
詰め物の奥に少しでも空間があると、スクイズといって水圧が増して空気が圧迫されるために生じる痛みや不快感が生じます。
ダイビングでは水中に激痛となってしまった場合、判断力も鈍るため大変危険です。事前にしっかり治しましょう。
そして、ダイビング中に痛みが出た場合の対策法は、
それ以上潜ることは危険です。ダイビングを中止して浮上しましょう。
また、その浮上中に耐えがたい痛みになってしまった場合は、これでもか。というくらいゆっくり上がり、その場で静止。ゆっくり上がり、その場で静止。
これを繰り返します。
その後は近日中にしっかり治療を済ませましょう。
5. まとめ
何年か前の『世界の果てまでイッテQ!』という番組の登山コーナー。
高所で身体を慣らしているシーン、
イモトさんが歯の痛みを訴え、このまま登頂することは難しいと判断し、歯の治療のため下山していました。
歯の痛みに影響を与えたのは気圧の変化です。標高が高くなれば登山でも、そして、飛行機でも痛みが出てくることがあるのです。
楽しくダイビングするためにも歯の治療をしっかり行いましょう。