宮古島のとなり伊良部島体験ダイビングショップ青の洞窟kaila|少人数で初心者向けのお店

台風とダイビング、そして、サンゴのお話。

今年の台風は今のところ2つしか発生していません。

本日7/28現在、一週間先の天気図や予報を見ても台風が発生する気配がないです。

台風3号が発生しない。

スタッフ内川の過去3年の日記には、例年7月終わりの時点では台風10号までは発生しています。

そして、このまま7月の台風発生がない場合は、1951年の観測開始以来、史上初となるそうです。

台風が来なければ海へ出かけられるし、台風対策をしなくていいのでラクだし、、、

しかし、大きなデメリットが潜んでいます。

このまま台風が来ないとサンゴが死滅してしまう可能性が高まるのです。


10年ほど前、オニヒトデによる食害

宮古島も含め、伊良部島のほぼ全域の海にオニヒトデがもの凄い数が現れました。

オニヒトデはサンゴを食べてしまう厄介者で、あったらあった分食べていきます。

ダイビングポイントのサンゴだけでも守れたら。

そんな思いでダイビング事業者みんなでヒトデ駆除に向かいましたが、

オニヒトデの圧倒的な数に歯が立ちませんでした。

僕の当時の記録を見ると、オニヒトデ駆除総数は僕一人だけで2500匹を超えています。

時が経つと自然とオニヒトデがいなくなりましたが、

理由として

『食べるサンゴが無くなったから移動した』と考えるのが妥当でしょう。

そんな中、わずかに残ったサンゴやリーフ内に残ったサンゴ。

元気にこの子たちが成長してくれるといいな。

と願っていた矢先に今度は台風が来ない年がありました。


数年前、夏の2か月ほど台風が来なかった

真夏は海水温が30度ほどに上がります。

ぬるーい感じ。

台風が来ないと海の中が掻き混ざらないため

この高い海水温がずーーっと維持されたままになります。

30度が続くってこと。

サンゴが生息していく適正温度は28度までといわれています。

海水温30度が2か月ほど続くと、サンゴが呼吸できずに白化して死滅してしまいます。

また、イソギンチャクも同様です。

白くなって死滅しちゃうんです。

ダイビングポイントによってはサンゴもイソギンチャクの両方とも見かけることができない

そんなことが起こってしまいました。


少しずつ再生してきたサンゴ

二年ほど前からサンゴの赤ちゃんが見かけられるようになってきました。

オニヒトデ、海水温上昇。立て続けに大ダメージを食らったサンゴたちは少しづつ生まれ始めたのです。

そして今年、手のひらサイズまでに成長してくれて、

よーーーし!あと5年ほどで見応えあるサンゴたちが見れるかも!!

あと5年。『その時、俺はもう40歳かぁ。』そんなことを考えながら潜っていたりしたんですよ、

6月までは!!!

ですが、7月に入って一か月以上も台風が来なーーい!

今年はまだ台風が来てないんです!!

なんてこったー。

すでに水温30度。

もう高水温が何週間も続いています。

すでに白化現象を起こしているサンゴも出始めてしまっているのです。

イヤだよ、イヤだよ。せっかくここまで育ったのに!

このままだと

またサンゴが全滅してしまう。

そして、元気なサンゴの上を観察しているとヤツがいました。

オニヒトデーーーーー!!!

ここまで成長するのに数年はかかるはず。

小さいサンゴを食べてここまで大きくなったんですね。

この発見はたった数日前。

他にも数匹。

もともと海の中にいる生き物ですので、多少は生息していますが

それでもちょっと多い気がします。気にし過ぎなのかな。


台風来ないと白化現象

 

あと一か月以内に台風が来ないと

多くのサンゴが白化して死滅してしまうでしょう。

不謹慎かもしれませんが、サンゴやイソギンチャクのためにも台風が来てほしいところです。

数年前、ネットの記事を読んだ内容を今でも覚えているのですが、

『再生と死滅を繰り返し、

全盛期にあったサンゴの森まで戻るには

サンゴの再生が追い付かない。』

たしかにそうなのかも。

でもサンゴの生命力を信じたいところではある!!


サンゴがなくなると魚もいなくなっちゃう

数年前の白化現象をベースに考えると、

あと一ヵ月、いや3週間以内に台風が来ないと白化してしまうでしょう。

サンゴが無くなると魚たちも減ってしまうことをご存知でしょうか。

多くの小さな魚たちの住処がサンゴだからです。

基本、小さなお魚たちですが、食物連鎖っていうのをたどると

大きいお魚まで少なくなっちゃうんですよ。

ダイビングしていても

水中はゴーストタウンみたいでなんだか寂しい感じ。

 

台風が多い年、サンゴも大きなダメージを受けるので再生するのに多くの力を注ぎます。

そのため、翌年の産卵期には卵の数が少ない。という報告例があるのですが、

来ないよりはましでしょう。白化してしまいますから。

 

あ~、僕が18歳の時に見たあの海の景色は

僕が現役の間に再び見ることができるんだろうか。

最近、そんなことをずーっと考えています。

地形スポットも有り難いですが、やっぱり海の全体の雰囲気ってサンゴと魚ですよね!

サンゴ、頑張って。